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ネオジオが大容量のROMカセットソフトを採用しており、高価であったために購入者層がマニアのみに限られていたという点を解消すべく、ゲームの供給媒体をCD-ROMにしたモデルにあたる。ネオジオ用ロムカセットが 当時3万円以上の価格だったのに対し、ネオジオCD版では7,000円程度の価格設定とされた。ハードも、価格を抑えるためにCD-ROMドライブは等速 度のものを採用している。初回ロットのみディスク挿入がフロントローディング型のものが限定で販売され、すぐにモデルチェンジ、形も変わってトップロー ディング型になった。
(上画像はネオジオcd フロントローディングタイプ(初期生産型)
付属のコントローラは、ネオジオのジョイスティックからパッドに変更されている。このパッドの方向キー部分の構造はいわゆる一般的な十字キーとは大きく異なり、キーを押さえている指を入力方向へスライドさせるという独特な操作性を持ったものになっていた。なお、プレイステーション2で『ザ・キング・オブ・ファイターズ'94』がリメイクされた際、同ソフトの限定版にこのパッドを復刻したコントローラが同梱されたことがある。
ゲーム中のセーブデータは本体の内蔵メモリ領域に保存されるようになり、MVSやネオジオで使用されていたPCカードのスロットは備えられていない。そのため、これらの機種とのセーブデータの互換性はない。
当時としては大容量の7MB(56Mbit)という大容量のRAMを本体に搭載し、ネオジオCDでもアーケードのゲームがほぼそのまま遊べることをアピールしたため、ライトユーザーへ の普及が期待されていた。しかし、CD-ROMの読み込み速度が等倍だったこと、それをカバーするためのロードデータの削減が基本的にはなされていなかっ たことから、大容量を誇るネオジオ用ゲームの特長がかえって「ローディングが遅い」「シーンの切り替えのたびにいちいちロードする」といった仇になりうる 欠点も持っていた。ネオジオ人気を牽引した対戦型格闘ゲームではキャラ選択からプレイ開始まで30秒から1分程度の待ち時間が普通で、中には3分を超えるタイトルもあった。1995年以降のソフトウェアの中には、ネオジオCD用に、キャラクターや背景のアニメーションパターンのデータが削減されているタイトルもある。
起動時にすべてのロードを済ませゲーム中は一切ロードが挟まらないタイトルもいくつか見られた。主に、容量が48Mbit以下のソフトが該当する。 本体RAM(56Mbit)より少ないのは、本体RAMの全てをゲームソフトのデータで使っている訳ではないためである。また、『餓狼伝説』、『ワールド ヒーローズ』など、48Mbit以上100Mbit以下のソフトでも一括でロードが可能なものもあった。
ネオジオCDZ(ネオジオCDのバージョンアップ版)
1996年12月29日には2倍速のドライブを搭載し本体サイズの小型化を図った改良型「ネオジオCD-Z」 が発売された。しかし、ドライブが速くなったところで決して短くはないロード時間が存在することに変わりはなく、待ち時間皆無のロムカセット版と比較した 際の評判が大きく改善されることはなかった。またソフトがMVSからの移植版ばかりで家庭用ゲーム機オリジナルのソフトがほとんどなかったことから、プレイステーションやセガサターンといった他社のCD-ROMゲーム機にも太刀打ちできなかった。結局のところロムカセット版の終焉よりもかなり早く、1999年、『ザ・キング・オブ・ファイターズ'99』をもって、ネオジオCDへのソフト供給は終了した。
なお、家庭用ではCDでのみ発売されたタイトルや、CD-DAによるアレンジBGMを収録したタイトルも存在する。また、CD-DAによるサウンドは一般のCDプレーヤーでも再生できるため、ゲームとしてではなく音楽CDとしてソフトを購入するゲームファンも少なからず存在した。
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