http://blog.livedoor.jp/anime_trans/archives/3028238.htmlより典拠
オースン・スコット・カード(Orson Scott Card,1951年8月24日)は、アメリカのSF作家、評論家。『エンダーのゲーム』(1985年)と『死者の代弁者』(1986年)でヒューゴー賞 とネビュラ賞を受賞し、この2つの賞を2年連続で受賞するという快挙を成し遂げた。熱心なモルモン教徒でもあり、National Organization for Marriage(同性婚を法的に認めさせることに反対している団体)の役員も務めている。
―wikipediaより
私 が初めて「anime」という奇妙な言葉を耳にしたのはサイエンス・フィクションのコンペション会場でのことだった。私はその単語を「アニー」というフラ ンス語だと思った。あとでアニメファンの方がSF作家がそんなことも知らないのかという感じで私にあきれつつ「anime」は日本語だと教えてくれた。発 音も違うということだった。「アニー」じゃなくて「アニメ」なんだね。
私はSFはSFでも、どうもアクション映画というのは好きじゃなかった。特にアニメというものは私には奇妙にしか映らなかった。どうしてみんなあんなに目が大きいのか?どうしてみんなキーキーと金切り声をあげて喋るのか?
ちょ うどその時、我が家のおチビさんがこのアニメってやつに夢中になり始めた。彼女は手に入れられる限りのありったけのアニメを見るようになった。今でも覚え ているのは、彼女は「劣悪な吹き替えよりも字幕で日本語のまま楽しんだほうが良い」といってあえて字幕でアニメを見るようにしていたことだ。子供が好んで 字幕を見るだなんてそれはびっくりしたものだ。
でも最近は米国の声優の進歩が目覚しいと感心させられる。セーラームーンの時代の吹き替えはひどかったものだが、今の声優たちの仕事ぶりといったら既に一流だと言ってもいいだろう。
ここで私が言う「最近」というのは1998年のことなんだけれど、決して昔では無いよ。1998年といえば「ディープ・インパクト」や「恋におちたシェイクスピア」「Ever After: A Cinderella Story」「プリンス・オブ・エジプト」そして、ロマンチックコメディの「ユー・ガット・メール」が公開された年だからね。みなさん、まだ鮮明に当時を思いだせるでしょう?
そして同じ年に日本で発表されたのが「カウボーイ・ビバップ」だ。
断言しよう。「カウボーイ・ビバップ」は他のどんなSF作品よりも優れている。
「カウボーイ・ビバップ」 は「位相差空間ゲート」で簡単に月まで行けるような未来世界を設定していて、ご他聞にもれず地球は人間が住めないような環境になってしまっている。人々は 地球外惑星への移住を余儀なくされたわけだが、この「位相差空間ゲート」のおかげで人間が住める複数の惑星間を簡単に行き来できるようになっており、人類 は地球外での生活を不自由なく満喫することができるようになった。
そんななかでまだ未開の惑星では警察機構が十分に働かず、政府は賞金稼ぎにその肩代わりをさせるようになったんだ。
主人公のスパイクはそんな賞金稼ぎを生業とする男だ。彼はもともと犯罪組織に身をおいていたが、そこを抜けた今ではなるべく法を守って行動するようになった。彼は過去に最愛の恋人を失っていて、また組織を抜けたが故にかつての親友が彼の宿敵に変わってしまっていた。
ジェット・ブラックは宇宙船ビバップの船長だ。彼はもともと警察官だったが、汚職の疑いをかけられ辞職した。彼は彼のルールに従って賞金稼ぎをやっている。スパイクとジェットはまるで違う二人だが、賞金稼ぎとして二人で上手くやっていた。
しかし二人の仲は良好だったが、仕事の方はうまくなかった。彼らの仕事は常に自転車操業で、日によっては宇宙船の修理や燃料を買う金にも困る始末だ。
そこに成り行きで一人の仲間が加わる。ビューティー・デンジャラス フェイ・バレンタインだ。彼女は徹底した個人主義の持ち主で、うまい金儲けの話があればすぐに飛び出していってしまう。そしてギャンブルなどで金を使い果たすとまた戻ってくる。
話が進むとそこにもう一人と一匹の仲間が加わる。まだ子供で性別のはっきりしない宇宙一の天才ハッカー エドと、人間よりも頭の良いデータ犬 アインだ。
特にスパイクとジェット、フェイにまつわるエピソードがおもしろい。彼らの過去と未来への探求は謎と冒険に満ちていて、30分があっという間に過ぎてしまう。
フェイは交通事故で失った記憶と真実を追い求め、ジェットは自分を裏切って辞職に追い込んだ人間を探し求め、そしてスパイクは失った愛の答えを探し続けかつての親友、宿敵ヴィシャスとの決着を求める。
「カウボーイ・ビバップ」は私にとって驚きの連続だ。繰り返し見れば見るほど気づくキャラクターが持つ美しさ、時におかしく、時にセクシーで、ストーリーは簡潔でどこまでも奥深い。そしてなんといっても手に汗握るアクションシーンが最高だ。
私のなかの「カウボーイ・ビバップ」は何年たっても色あせない。SF作品のトップとして燦然と輝き続けるのである。
こんなに素晴らしい「カウボーイ・ビバップ」を私一人で楽しむことが許されるのだろうか?答えはNoだ。
実は皮肉なことにSF嫌いの私の妻でさえもハマっている。
私はこの作品で流れる菅野よう子が作った多彩なアプローチを魅せるジャズサウンドや50年代の香りを残すロックサウンドが大いに気に入っている。
つまり「ビバップ(自由に生きる・自由に演奏する)」という言葉の意味を文字通りストーリーでも音楽でも具現化しているというわけだ。
私 が強く言いたいのは、私たちはこのアニメ作品を生み出してくれた監督や脚本家、アニメーター、声優はもちろん、全てのスタッフへの感謝を忘れてはいけない ということだ。私たちはアニメは黙っていても手元に配給されるものと勘違いしがちだが、一生懸命に作ってくれる人がいるから成り立つのである。特にこのよ うな不世出の傑作においては、全てのスタッフが最高の仕事をしなければ作りえないものなのである。
まだ見ていない、もしくはもう一度見たいという方は是非ともDVDを買ってほしい。新品なら全話で400ドル、中古品なら50ドルから70ドルで手に入るだろう。
最後に子供をお持ちの親御さんへ。子供が日本アニメに夢中になることを快く思う親はなかなか少ないと思う。
しかし文化は両者が高めあって育つものだし、日本アニメそのものを毛嫌いするのはもったいない。
騙されたと思ってこの「カウボーイ・ビバップ」を一度あなた自身が見てみることをお勧めしたい。
もしかすると、アニメはあなたの子供、ひいてはあなた自身の心を豊かにするものだと認識を改めることができるかもしれないよ。
こんなにも熱く語るとは・・・
うんうんビバップファンはほんとに多いし、世界でも評価が高いんだと改めて認識した。
実写化はやめてほしいけどね(^^;)
ほんとにビバップは最高だったな~。
今度レビュー書くつもりです。
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