(画像はあくまでイメージ)
これも僕が体験して恐怖した実話です。
それは大学の二年くらいの時だっただろうか・・・。
うちの大学は急で過酷な坂の上にある。行きと帰りにはスクールバスが走っており、行きも帰りも大学の生徒であふれかえってギュウギュウ詰めの状態である。
バスに乗り過ごすと、行きも帰りも歩きになり、筋力トレーニング並みに過酷だった。帰りはまだいい。くだりは楽だ。しかし、僕はいつも急すぎてよく転んでたがw
そんな不便な環境なだけに、色々行き帰りでいろんな知恵を絞る学生がいる。早い話、原付バイクで来る者、車で来る者、様々だ。みんな楽しようと考える。僕の友人Kはまだその時原付きの免許を持っていなかった。Kはどちらかというと、早く帰りたいタイプの男だったので、行きのしんどさより帰りの素早さを優先していた。
彼が思いついたのは自転車通学だった。行きは自転車を押し、大学へ。
帰りは下りの急な坂をチャリで一気に下るという爽快な帰宅方法だった。
チャリンコ通学初日に僕はKに誘われ
「後ろに乗れよ。」
と言われ初めて?というか大分久しぶり?の二人乗りをした。
いやはや・・・ジェットコースターなんて目じゃない怖さでした。
立ちノリだったので余計怖いwあの急な坂を一気に下るのはかなり度胸がいる。
夏間近だったこともあり、Kはチャリンコで一気に坂をくだる爽快感を楽しんでいた。そりゃあの坂を自転車で一気に駆け下りるのは気持ちはわかるが、乗ってる方はたまったもんじゃ無い。
下についてKは
「良いな~チャリは気持ちいい。明日もチャリで来よう~」
という。僕は内心事故りそうで心底怖かった。ほんのちょっと楽しかったが。
翌日・・・Kは案の定自転車で来た。そして大学での授業をこなす。
時間割の最後の授業で僕は日頃の睡眠不足が祟り、眠りこけてしまった。そんなに大した授業でもなかっただけに爆睡だった。そして夢を見た・・・・・。
授業が終わって・・・・僕が帰ろうと門まで歩いていると、後ろからKが自転車でやってきた。
「お~い乗れよ。帰ろうぜ。」
という・・・。僕は内心昨日のスリルが怖かったが、早く帰りたいという欲求に勝てず、彼のチャリの後ろに立って乗っかる。
「しっかり捕まってろよ。」
Kはそういうと一気に門から坂を下り駆け下りていく。
実はうちの大学には急カーブの危険地帯が3つほどある。そこではよく接触事故や、曲がりきれずガードレールに突っ込む事故が多発していた。道幅もせまく車も頻繁に通る。ついたあだ名が魔の急カーブ三連続・・・・僕はKに、
「おい・・・・頼むからあんまり飛ばすなよ・・・・」
と声をかけるがKは、
「大丈夫やって・・・・お前は運転してないから早く感じるんだって」
と聞く耳を持たない。
ぐんぐんスピードが上がる・・・目の前には魔の急カーブ三連続・・・・
Kの自転車が魔の最初の急カーブを曲がろうとした時だった!!
見通しの悪い急カーブいきなり目の前にトラックが飛び出して来た!!
Kは慌ててハンドルをきるが・・・・・その目の前には・・・・ガードレールが・・・・・!!僕たちはなすべもなくガードレールに激突!!二人の体は宙を舞った。そして目の前の林の中へに落ちて行く・・・・・。
「はっ!!!」
僕は少し声を上げて目を開けた・・・・額と背中には脂汗が滲んでいた・・・・
「今のは・・・・・・・夢・・・・・・・・??」
気がつくと授業はもうすぐ終わる時間。
「えらく生々しいリアルな夢だったな・・・・・・」
僕は今見た恐怖を中々ぬぐいさる事ができないまま、授業を終え帰ろうと門への道を歩いていた。
すると後ろから・・・・・後ろからKが自転車でやってきた。
「お~い乗れよ。帰ろうぜ。」
僕は内心ドキッとした・・・さっき見た夢とまったく同じじゃないか・・・・・・・(汗)と・・・・。
ヤバイ・・・これは死亡フラグ立ったか・・・・・と思った。
さすがにさっき見た生々しい夢のせいで、僕は完全に足がすくんでいた。
「わっ・・・・悪い・・・俺歩いて帰るわ・・・・。」
そう言った。するとKは不満そうに・・・
「なんだよ・・・・ビビッてんのか?情けないな・・・・。」
と皮肉を言われる。しかし、僕は怒る気もせず、
「ゴメン・・・昨日実はちょっと怖かったんだ。だからお前一人で先に帰っていいぞ。」
と言った。Kは仕方ないな・・・という感じで
「わかった・・・じゃあカーブ終わったとこで待っててやる。そこで分かれようぜ。」
という。僕は最後に念のためさっきの夢もあったので
「ああ・・・わりーな・・・・じゃあカーブ終わったとこで待ってて。すぐ行くわ。気をつけて・・・・」
とだけ言っておいた。Kは俺に比べれば運動神経は良い方なので、彼一人ならなんとか無事に帰られるだろうと、内心思っていた。
Kは門を出ると急な坂を勢いよく下って行く。僕はというとトボトボと後ろから歩いて降りていく。歩きで帰るコースは実はカーブとは真逆の道を行く。狭い民家の間の階段を通って坂を抜ける形になる。
その間はKの姿を見ることは出来ない。
僕が数分かけてカーブが終わる地点までつくと、そこにはKの姿はなかった。
「あれ・・・あいつ・・・先に帰ったのかな・・・・・?」
と僕は思った。実はKは意外に薄情なところがありたまに何も告げず先に帰ることもしばしばあった。
「あいつ俺が来るの待つの飽きて先に帰ったな・・・・」
僕は若干腹が立ったが、まーいつものことか・・・・と気にせず坂を下り始めようとしたその時だった。
携帯が鳴った・・・・・
「誰からだろう・・・・・?」
僕は着信画面を見た。Kからだった。
僕は、
あーなんだ。先に帰ったの悪いから電話してきたんだな・・・。と思った。しかし、とって最初のKの一言にゾッとした。
「助けて・・・・・」
「え?」
僕はKに聞き返した。
「助けて・・・・・」
僕は何が起こったのかさっぱりわからなかった。
「何?どおした???」
「カーブ・・・・カーブで事故った・・・・」
僕はその言葉を聞いて内心血の気が引いた。
「カーブでって!?お前!!大丈夫か!!」
「うん・・・でも痛え・・・・ちょっと来てくれ」
「わかった・・・!待ってろ!すぐ行く!」
僕は慌ててカーブを登っていくと二回目カーブの所でKが倒れている。
周りにはおばさん2人が心配そうに取り囲んでいる。
「K!大丈夫か!」
僕が近づくと二人のおばさんが
「お友達?早く救急車呼ばないと・・・・」
と慌てていう
「わかってます。」
実は、こういう事態の場数をかなり踏んでいた僕はいたって冷静だった。
(何故場数を踏んでるのかは、後々お話しよう。)
Kの状態を確認し、外傷、意識のうむを伝え救急者を呼んだ。
幸いKは打撲や切り傷はあるものの意識はハッキリしており、命には別状なく大丈夫だった。
しかし、自転車はぐちゃりと曲がって原型をとどめていなかった。
(←イメージとしてはこうんな感じ)
どうやらスーピードを出し過ぎ急カーブ曲がりきれずコンクリートブロックの出っ張りに激突!本人いわく体が宙を舞ったという。何もかもが夢とよく似ていた。
「もし・・・この自転車に俺も乗ってたら・・・・今頃命があったかもわからない・・・幸いK一人だけだったから、この程度で済んだが後ろに乗ってたらやばかったかも・・・・。」
と内心ヒヤッとした。僕はKにさっき見た夢の事を素直に話した。すると・・・
「お前・・・・なんでじゃあ止めなかったんだよ・・・」
と弱々しい感じで怒られてしまった。
「いやwほら・・・・お前運動神経良いしさ、一人だったら大丈夫かと思ったんだよ。それにお前俺が注意したところで、聞く耳持ったか?」
というとKも
「確かに持たなかったかも・・・・」
だよな・・・・w
そうこうしてるとようやく救急者が到着。Kは救急車で運ばれて行った。
僕はKのぺしゃんこになった自転車を下まで持って行く事になった訳だが、兎に角Kが無事でよかった。
しかし、あの予知夢がなかったら・・・・今頃俺はここでこうしてこの思い出を綴れていただろうか・・・・?
皆さんも、危ないな・・・怖いな・・・・と思ったら、時にはその直感を信じてみた方がいいかもしれませんよ。
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