(*別の怪談でうってた文章を間違えてコピペしてた部分がありましたので修正しました。)
この話も父と友人の方の体験談。僕の父は車が大好きな走り屋で、毎晩のように六甲山や箕面の山にドライブに出かけていました。
これは話はある日のドライブ中に起きたことです。場所は以前の地蔵の話でもでた箕面の山でのこと。
父と友人はいつものように箕能の山を車でとばしていました。助手席に父、運転は友人の方です。
毎晩走り回っているおきまりのコース。頭文字Dほど過激ではないものの、スピードをあげ峠を飛ばすのは爽快だったそうです。
と・・・突然、友人の方がある場所で車を止めました。そしてこう言うのです。
「おい・・・こんなとこに・・・わき道なんてあったか?」
「ん?」
二人は顔を見合わしました。というのも、ここはいつも走っている道ですから、当然コースは熟知しています。いつも見慣れた風景の中に突然現れたわき道・・・。好奇心旺盛な二人はその新しく発見したわき道を走ってみたい欲求を我慢できるわけがありません。
「おもしろそうだな・・・行ってみるか。」
「そうだな(笑)」
父たちの乗った車はいつものコースではなく、新たに出現したわき道へと入って行きました。
そのわき道は、道幅は狭く車一台がやっと通れれ幅しかなく、舗装もされていない獣道でした。
「すごい揺れるなーあんまりスピード出すなよ。」
「わかってるって。」
当たりは当然深夜なので真っ暗、ヘッドライトの明かりだけが獣道をさんさんと照らしています。
「しかし、こんなところにこんな獣道があったとは意外だよな。いったいどこまで続いてるんだ。」
友人の方がそう父に話しかけました。が、父は何も答えません。
友人の方が父が座っている助手席に目をやると、父は冷や汗をかき、黙ったまみ硬直しています。
「おい?どうした?」
そう友人の方が再度声をかけると、恐る恐る父は目の前の鬱蒼と生い茂る森を指さして言いました。
「おい・・あれ・・」
「何?どうした?」
「木と木の間・・・見てみろ・・・」
そういって父が指し示した方を見ると、確かに回りを取り囲む鬱蒼とした森の木々と木々の間に、無数の光二つの目のようなものが見えるのです。それがドンドン進むにつれ、その光る目の輪郭、シュリエットがはっきりしてくるんだそうです。つまりだんだん迫ってくる訳です。
「顔だ・・・!木々間から無数の顔が覗いてる!」
二人が゛それ"に気づいたその時!!
運転をしていた友人の方のハンドルを握る両手の間から男の顔がぬぅーと現れ!友人の方の両腕をグッと握ってきたのでした!
「うわっ!」
年齢は30代くらいでしょうか・・・男だったそうです。
その男は、友人さんの両腕にしがみつき、もの凄い握力で腕を握って話しません。
「ハンドル操作が思うようにいかない!!」
父もその光景に体が硬直し、動けません。
友人の方は、その時咄嗟に思ったそうです。
(ここで俺がこいつらにやられたら隣にいるこいつまでお陀仏になっちまう!!)と・・・・。
友人さんは普段から心霊スポットに遊びに行ったり、していた事もあったとは思いますが、それを考えると頭の中はすぐに冷静さをキープ出来たといっていました。
(負けてたまるか!)
そう思い、精一杯抵抗をしながらハンドル操作を行う友人方。
(早く!ここをでないと!いったいどこまで続くんだ!この道は!)
尚も自分の両腕をつかんでいる奴は、友人さんの自由を奪う?
捕まれた腕の握力に必死に抵抗し、道幅の狭い、舗装もされていない獣道をもの凄いスピードで飛ばしました。しばらくして、目の前を照らすヘッドライトにガードレールのような物が小さく見えて来ました・・・。
「見えた!!出口だ!!」
と思いひたすらアクセルを強く踏みました。
’奴ら’も父たちを引きづり込もうとしたのか、最後の抵抗を見せてきました。
友人さんの両手の間から数人の白い顔をした’奴ら’が腕に掴みかかってきたのです。
「うわっ!!!」
その重みで友人さんはハンドルを取られそうになりました!しかし
「あともう少し!!あともうちょっとだ!!負けてたまるか!!」
必死にハンドルを操作します。
そして車はついに、獣道を抜け、舗装された道路へ飛び出しました!
「危ない!!!」
慌ててハンドルをきりました!!ブレーキを思い切り踏み込みます!!
幸い、’奴ら’はその獣道を抜けた瞬間友人さんから手を離しました。
ガーーーーーーーーーン!!
車は横向きでガードレールに激突!!
でも幸い二人にケガはありませんでした。
ほっ・・・としてガードレールの下を覗いた父は驚きました。
「おい・・・あのまま突っ込んでたら・・・
俺ら崖の下へ真っ逆さまだったぞ。」
そう父が言うと、
「あいつら・・・もしかしたら・・・これが目的だったのかな・・・・俺たちを襲って谷底へ落とす気だったのかも・・・」
車の左側はぺしゃんこに凹んでいました。せっかく買った車が台無しだ・・・と友人さんはガッカリしたそうですが、命があっただけでももうけものです。
その箕面の山の峠の道では事故も結構多いそうで、ガードレールに突っ込んで危うく崖下へという事件もよくあるそうです。
もしかしたら・・・・・それは・・・・’奴ら’のせいかもしれませんね・・・・。
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