実写版「魔女の宅急便」レビュー※この魔女は不快感を運ぶ！魔女狩りだ！

解説

宮崎駿によってアニメ化もされた、角野栄子の名作児童文学を原作にしたファンタジードラマ。一人前の魔女になるための修行として、知らない町で1年間生活する13歳の少女キキがさまざまな出来事を通して成長するさまを見つめる。監督は、『呪怨』シリーズの清水崇。キキを演じるのは、オーディションで選出され、角野も太鼓判を押したという新星・小芝風花。尾野真千子、宮沢りえ、筒井道隆といった豪華な顔ぶれの共演陣はもとより、原作の世界観を再現した美術や衣装にも注目。

あらすじ

魔女の家系である少女キキ（小芝風花）は、13歳になったのを機に魔女になるための修行をすることに。それは見知らぬ町で、1年間だけ生活するというものだった。黒猫ジジと空飛ぶホウキに乗って旅に出た彼女は、海辺の町コリコへとたどり着く。やがて、パン屋の女主人おソノ（尾野真千子）の家に居候し、宅急便屋を開業する。つらい出来事があっても、母コキリ（宮沢りえ）に言われた笑顔を忘れずに働く中、空を飛びたいと願う少年とんぼ（広田亮平）と出会う。

個人的感想
予告編の時点でこれは駄目だと思わざる終えない全壊さ加減。
違和感が半端ない。全てがミスマッチ。

まず冒頭のキキがいる村が完全にロードオブザリングとかハリポタみたいな世界観なのに対して、旅に出た街が完全な日本の離れ小島の田舎っていう・・・どこの異世界から来たんですかね？魔法で次元まで飛んじゃったのかな？さらにミスマッチな最新（笑）CGで描かれた気持ちの悪いアニマルたち・・・。
  
そんなところでホラー映画監督としての本領発揮しなくて良いですよ清水崇監督。ジジを始めカバも不気味で気色悪い違和感バリバリのCG丸出しさ。全然リアルでもないしむしろ不自然なまでに浮いてる。

そんなところにばっか無駄な予算注ぎ込んでるから他もガタガタになるんだよ。ドクタードリトルとか海外のすごいCGのアニマルをやりたいんだろうけど、全然出来てねーから！

そんなのCG使わず本物の動物使えばいいだろ！海外みたいにビックバジェットで予算がだせないのだから、低予算なら低予算なりの工夫をしろよ！

仮面ライダーZOを作った東映とは思えないしょぼさ。
映画の出来は必ずしも予算で決まるわけではない！実際仮面ライダーZOは海外で「こんな低予算で尺も45分しかないのにこんなにすごい作品を作るなんて日本人はどうなってんだ！」と賞賛されている。低予算でも仮面ライダーZOみたいに、海外を驚かせることができる作品は作れる。
 
本作の駄目な点ははっきり明確である。

実写にする際にもう少しできる範囲を考えなかったことも確実にわかってない。
 
何故カバという無理があるものでやってしまったのか・・・。
動物園ならウサギでもリスで犬でもなんでも良いだろ。てかむしろそっちのほうが現実的だし、CGの必要もいらないんだから予算も抑えられそうなもの。散々カバにこだわった割りにライオンに尻尾をかじられて弱ってしまったという理解に苦しい転回。

細菌に感染して感染症で死にそうならまだいいよ？でもさ・・・あんだけ苦労して、しかも明らかに病院とはいえないテント生活のスナフキン状態の名医？？のところに連れて行ってだ・・・症状が尻尾の位置が定まらないから気持ち悪かっただけ・・・・ってふざけてんのか！

感染症だったらどうするんや！あんな医療設備もないところに運んで！死んでたぞ！てかカバをあの高さからどうやって下ろしたんだ！？てか確実に足とか折れるだろ！

あと動物園の飼育員の新井さん演じるナヅルが完全なヤカラにしか見えない。一回運ぶって宣言したなら黙って見てろよ。いらぬタイミングで煽るなうるうせーだまれ。
 
そのカットが入るせいでキキが飛び立つロジックが完全に表現不足。
アニメの魔女の宅急便は飛び立つまでに圧倒的な作画で髪が乱れ！スカートはしずかに靡きだし、デッキブラシは毛が逆立ち、キキが来たッ！って表情をする。本作ではただ風がやんでそのまま上にすっと上がるだけ・・・演出・・・・やる気あんのか・・・
 
あとさ・・・別にさ・・・痩せてる太ってるを悪く言うわけではないよ・・・でもさ・・・なんでヒキニート化してる歌手の女がデブなの完全に引きこもってバクバク食べて丸々太ったようにしか見えない。昔は痩せてた・・・けどショックで太った・・・ということでもない。
しかも、姉が魔女で落ちて死んだから・・・歌が歌えない・・・？？
よくわからない理論だ。現役を引退した老婆の歌手とかの方がまだあってたな。

曲もいい曲だとは思うよ・・・でもさ・・・明らかに本作にはあってない。いい曲だからなんでも映画にあうというのもイコールじゃないよね。

あっ・・・でも倉木麻衣の曲は酷い。
てか言われないと倉木麻衣とわからない。歌声かわりすぎだろ。

キキを嵐から導くために歌うシーンがコントでデブの芸人がやる再現ミュージックビデオみたいにしか見えず・・・失礼な話だが感動ではなく苦笑いしかでなかった。しかも、ただ嵐の屋外で歌うだけなので・・・魔法の力なのかな？テレパシー？でも空しか飛べないし、妹のデブ歌手は魔法は使えないんだよね？だったらなんで歌が届いたの？

そこはさ・・・ラジオ局に行って、港についてるデカイスピーカーを使いキキにエールを送るために爆音でラジオ局から生歌配信とかでいいんじゃないの？それだったらまだ聞こえるかな？見たいな感じはする。
 
歌手の女と一緒にいる幼女はかわかったけど、最初の登場のシーンは演出が呪恩のトシオくんとかぶってた。そんなところで本領発揮しなくて良いって清水監督。

あとキキは危機的状況で妄想浸るのやめてほしい。
カバが弱ってて園長が早く着てほしいっていってた⇒とりあえずパン食って落ち着こう。⇒早く行けよｗ！！
嵐の中で歌が聞こえる⇒あー聞こえるわ・・・⇒いや早く行けよｗ！！のんびりし過ぎだろ！ｗ

ほうきにまたがり蟹股で発狂しながら走り回るキキの姿は滑稽以外の何者でもなく、痛さが出ていた。

あと呪の手紙を撒き散らしてる女が、最後に嫌われてる友達に送った「ごめんなさい」の手紙・・・・あんなもので仲直りできるんならいじめなんておきないよね・・・・。しょうない・・・そして浅い人間描写。人間の恨みを書いた呪恩を手がけた監督とは思えないな。

トータル・・・原作とは違うとは言えど、さすがのアレンジ力と天才的な画力とセンスで見せた宮崎監督の「魔女の宅急便」には遠く及ばない。原作に近い感じでやってる？だ からって良いとは限んないよね！要するにどこを映画でできるようにアレンジするかをまるでわかってなかったってことだね。呪いを巻き散らすぞ！って作中でも言われてたけどさ・・・おめーが撒き散らしてんのは不快感と違和感だよ！！！魔女狩りだ！！！