映画「エイリアン」

解説
地球への帰途についていた宇宙貨物船ノストロモ号は、謎の救難信号を受けて未知の惑星に降り立つ。そこには異星人の船があり、船内には無数の奇怪な卵が存在していた。卵から飛び出した奇妙な生物が顔に貼り付いた航宙士ケインを回収し、ノストロモ号は再び航海につくが、彼の体内にはすでに異星生物の幼体が産みつけられていたのだ。ケインの腹を突き破り姿を現したエイリアンは脱皮を繰り返し巨大に成長、一人また一人と乗組員を血祭りにあげていく……。
 
個人的感想
有名な名作映画です。これに影響されてSFものを真似した人は数知れず。

僕の好きな押井守監督も「エイリアン２には完敗だ・・・」とラジオで語る。恐らくパトレイバーの箱舟シーンのあの緊迫する感じはエイリアンの後半のシーンとエイリアン２に良く見ると似ていて、オマージュしたのかな？とおもったりする。

元々押井監督の師である鳥海監督の『LILY-C.A.T.』もまんまエイリアンていう。

あと雨宮慶太のゼイラムシリーズも恐らく本作の影響をかなり強く受けていると思う。

そう考えるとすごい作品ですよね。

エイリアンは宇宙の吸血鬼もの映画を目指して製作されたとのこと。かなりエイリアンって色んなテーマを含んでるなーと思うんですよね。

エイリアンのデザインはHRギーガーが担当しているが、実はデザイン案が難航しなかなか決まらなかったそう。

そこで、ギーガーの画集に書いてあったエイリアンにそっくりのイラストをそのまま使用した。
 

逆にそれがよかった。エイリアンのデザイン元は男性器（ペニス）である。

映画全体にどこかエロチシズムを感じる本作。それはエイリアン（男性の象徴）が女性を襲うという構図が当時の時代背景、女性蔑視に立ち向かう強い女性というメタファが含まれていると思う。

 
エイリアンが女性のランバートを殺すときに、尻尾をケツに突き刺すくだりとか、下着姿のリプリーがエイリアンがゆっくり近づいてくるとことか。

リプリーのパンツちッちゃ！エロい！はぁはあ！だからエイリアンはペニスというシンボルで良いのだ。

最近見返すと本当に思うこと・・・昔はエイリアンがもっと頻繁に出てくるイメージだけど、
実は「ほとんど出てきません！」これはビックリ。

だが、この演出が素晴らしいんです。

映画ジョーズにも同じことが言える。ジョーズも実は中盤以降までほとんどサメが出てこない。これが逆に正体の見えない恐怖が増徴されて良い味をだしているのだ。

エイリアンにも同じことが言える。

いつくるのか・・・なかなか出てこないからこそ逆にどこにいるのかわからない恐怖、いつ来るのかわからない恐怖感、正体の見えない恐怖感がある。

倒したいから出てきてほしい、でも出てこない、出てきてほしくないときにでてくるゴキブリ並みだ。

本作、といえばやはりアンドロイド・アッシュの恐怖もあるだろう。エイリアンはエイリアン以外にも身内に狂気が潜んでいるのも恐ろしい。

本作の冒頭の謎の異性人の遺跡・・・

これは近年公開されたプロメテウスで明らかになるが・・・・映画事態が事故であるプロメテウスは見なくてもいいと思う。

トータル・・・どこに潜んでるかわからない恐怖が怖すぎる一作。この緊迫感がたまらない！！！