この作品は当初、テレビドラマシリーズ『If もしも』の一作品として1993年に放送された。同年、テレビドラマとしては異例の日本映画監督協会新人賞を受賞。
『If もしも』の中でもとりわけ大好評を博し、その後OPやタモリの出演シーンをカットした再構成されたバージョンが、翌年に映画として劇場公開された。
当時は若手のテレビドラマ監督・脚本家であった岩井俊二の評価と知名度を一気に上げ、映画製作に進出させるきっかけとなった作品である。
また、撮影当時子役であった山崎裕太(当時12歳)などの演技力の高さも特筆すべき点であろう。なお、その映像は、色調の調整などを使ってフィルムらしく見せる手法(フィルム効果、あるいはF効果と呼ばれる)を使って作成されており、これも当時ゴールデンタイムのテレビドラマとしては非常に珍しかった。
あらすじ
小学生の典道と祐介は仲の良い友達だが、実は二人とも同級生のなずなのことが好きだった。しかしなずなの両親が離婚し、彼女が母親に引き取られて二学期か ら転校することになっているとは、二人には知るよしもなかった。 親に反発したなずなは、プールで競争する典道と祐介を見て、勝った方と
駆け落ちしようと密かに賭けをする。 勝ったのは祐介か? 典道か? 勝負のあとから、異なる二つの物語が展開する。
個人的感想
岩井監督の知名度を上げるきっかけとなった作品。視聴者がエンディングを決める事ができるという斬新であった「ifもしも」シリーズの代表作であり、今までのやり方を色々と変えた作品。
実は6年後この作品をテーマにしたドキュメンタリー作品
「少年たちは花火を横から見たかった」
も制作され、そちらでは本当はこうなるはずだった。という裏話も聞くことができる。
ロケ地は今でも足を運ぶ方が多いほど人気である。
(上の画像は「少年たちは花火を横から見たかった」の朗読風景です。)
映像や物語が非常に良くできており、懐かしさやほのかな恋心を上手く表現している。この独特の映像美は極秘扱いで、
「少年たちは花火を横から見たかった」でも特殊なフィルムをカメラのレンズに貼っているらしい・・・・という曖昧な口調でしか伝えられていない。岩井監督らしさが随所に光作品である。
また、この頃の奥菜恵はもの凄く可愛いし、子供なのに大人びた魅力というか・・・セクシーさを醸し出している。
遠い海から来たクーでは声優もつとめた山崎裕太もいい演技をしている。
『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』
花火は下から見ると花火は平たいのか?丸いのか?
当時、この疑問を誰しもが思ったかもしれない・・・今ではそれは誰でもわかることなのだが、そんな子供たちの純粋なものを見事に表現している。
それは恋愛においてもそうで、子供たちの初々しい恋心もうまく描いています。
またテーマソングや挿入歌も実に良いですね。このドラマの雰囲気にぴったしあっている。
素晴らしい名作だ。
そして是非ドキュメンタリー
「少年たちは花火を横から見たかった」も是非みてほしい。そちらには銀河鉄道の夜の朗読なども収録されている。
名シーンはこちら
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