「おおかみこどもの雨と雪」見てきました。レビューです。

「おおかみこどもの雨と雪」見てきました。
劇場にも豪華なセットが組んでおり、細田さんのサイン入りポスターもありました。

エヴァンゲリヲン新劇場版：Ｑのポスターもあったよ。
またピアノか・・・

まーエヴァいいとして・・・・

まず、細かいことは後にしてとても良い素晴らしい映画だった。おおかみ人間を通して人生にとって選択していくことの難しさや決断する勇気を色々学べる作品でした。グッツ類もめちゃかった。（上画像参照）
この映画は絶対に親子で見るべき映画だということを言っておきたい。

それはこの映画は親の視点でも人生を書いてると同じに、こどもの視点に立っての成長を書いているからである。

つまり、親はこの映画を通してこどもの気持ちや行き方、選択を思い出せるし、逆にこどもはこの映画を通して親の気持ちや苦悩が痛いほどよくわかる。

本当にすごい作品だった。
うん。富野さんが絶賛もよくわかる。


大事件はそんなに起きたりはしないが、人生とは・・生き物を育てるってことは・・そういう当たり前だけど、生きていく上でむずかしいことをしっかり書いている。だが、絵の雰囲気からそれが押し付けや厳しさをわからせてやろうといった嫌みっぽさは感じられず、水の流れのように自然な感じでうまく描かれてる。

大変な場面なのになぜかとてもどこか優しさがある。これは本当に演出と絵の力だと感じた。

作品を一言で説明するのはとてもむずかしいが、色々なことを感じれるし、学べる。

例えば、雪と雨を連れて田舎暮らしをはじめた時、最初はうまくいかず悪戦苦闘する。都会で誰の手も借りずいきることを誓った家族だったが、最後には色々な人にたすけられるのである。人は一人では生きてはいけないのだ。ということを改めて痛感するし、人間まだまだ捨てたもんじゃないな・・・って思える。

さらに母親である花の否定のしない選択肢の与え方にも注目してほしいところ。

子供たちと田舎に住む決意をした日、花は子供たちに「おおかみか人間どっちがいい？」と質問をします。つまり、子供たちが望めばどちらの生き方をしてもいいよ。ということ。これはなかなか難しい質問だ。

子供たちは成長するにつれ、考え方や生き方が変っていきます。

やんちゃで狼らしい生き方をしていた姉の雪に対して、狼は人間に嫌われてばかり・・・なら人間の方が良いと言っていた弟の雨。

花はどちらの生き方も否定しない。花が「ダメよ。」という時は、必ず正体がばれることに係わることだけなんですよね。後の判断は子供たちに任せている。

だが、人生とはそううまくはいかないものです。
花も子供の成長とともに翻弄される中、迷いや不安が当然でてきます。

それが子供たちが１０歳を迎えた時です。

狼らしい生き方をしていた姉の雪は小学校に行くようになり、思春期を向かえ周りと自分とのギャップに戸惑い、みんなに合わせていく集団生活に溶け込む生活を始めます。そして、人間の方が良いと思うようになります。

逆に、人間の方が良いと言っていた弟の雨は、小学校にあがり周りの子についていけず、いじめられたり孤立して集団生活に馴染めなくなります。そんな中で森の動物たちとの交流を深める中で、自分は狼の方が良いと思うようになります。


母親の花は狼として覚醒していく雨に対して、戸惑いを抱くようになります。
やはり、人間のほうが・・・・そんな迷いがでてくるのです。
そして対立する雨と雪。考え方の違いにより、喧嘩になります。


花は雨に対して、ついに言ってはいけなかったことをいってしまいます。
「もう森へ行ってはダメよ。」
この言葉を始めていった時、花は自分が今まで大事にしてた子供たちの生き方を尊重し、否定をしない、という決意を自ら否定してしまったことに気づき落ち込みます。
でも・・・母として野生で危険もある中で・・・まだ１０歳の雨を一人で生きて行かせられない。まだ早い・・・。その考えを優先し、森への行き来を辞めさせようとするわけです。

しかし・・・成長し続ける雨を止めることはできません。
嵐の日に家を出て行く雨、それを止めるため探しに行く花。

しかし、花はケガをし、山で遭難してしまう。

そんな時、現れた狼男の夫・・・・彼が言う一言にはもの凄く思いメッセージがこめられている・・・・。

「雨はもう大人だよ・・・・自分の道を選んだんだ。」

深い・・・・親は子供に対して何かしてあげないと、守らないと・・・と強く思うがゆえ・・・・子供のことをわかっていなかったんだな・・・・とここで痛感させられる。
もう彼は立派な狼であり・・・・大人なのだ。
母の元を離れ、ひとり立ちをする決意ができたのだ。それを母親が止めてはならない。


人間と野生動物の違いも感じれる一場面だった。野生では子を見放すが、人間は見放さない。この違いが、雨と花、狼と人間を区別していたのだ。

本当に深い・・・・このシーンは深いよ。色々考えがめぐりました。

さて・・・あまり話しすぎると全部ネタバレになりそうなんで、この辺で止めて起きますが・・・・この作品演出も面白いです。時かけでも思ったけど、本当に演出が面白い。
小学校に入った雨と雪が進級していくシーンの演出なんか面白いですし、雪山を転げ落ちるシーンもなかなかによく出来ていて面白かった。


声優も意外にあってました。この作品に。
芸能人割合が多すぎだけど、子役の演技がすげーうまかったり。
菅原文太さんのおじいさん役がハマリまくりでビビッたマジで。



とまー話題は尽きないんですが、詳しくはご自身で本編を見て色々感じていただければいいんではないかなと思います。
僕の感想はめちゃくちゃいい映画でした。ブルーレイ絶対買う！！


細田監督～いい仕事してますね～！！マジで！！凄いわ！！