映画「ダーク・ウォーター」

解説
『モーターサイクル・ダイアリーズ』のウォルター・サレス監督がハリウッド進出第1作目に選んだのは、日本のホラー『仄暗い水の底から』のリメイク。徐々に恐怖のドン底に追い込まれて行くシングルマザーをオスカー女優、ジェニファー・コネリーが熱演。『シカゴ』のジョン・C・ライリーや『ブラス！』のピート・ポスルスウェイトらが脇を固め、物語にリアリティを与えている。日本版よりさらに母親側の心の闇に迫った人間ドラマが泣かせる。

あらすじ
離婚調停中のダリア（ジェニファー・コネリー）は娘のセシリア（アリエル・ゲイド）とNYのルーズベルト島に引っ越して来る。その古びたアパートの天井の黒いシミから黒い水が滴り落ちるようになり……。

個人的感想
日本版の「仄暗い水の底から」も良い作品だが、こちらも良いリメイク＆アレンジになっていると思う。リメイク版リングなどがっかり日本のホラーリメイクが多かったが、本作は良いリメイク。

ロケーション（特にあの離れ小島の集合住宅、そしてロープウェーを利用するという立地条件）が実に良い。イメージ的にも日本版をリスペクトしつつ絵的な雰囲気も近いものになっていると思う。
 
なんと言ってもジェニファー・コネリーが良い。
お母さん役にぴったりである。

親子の愛情がテーマだが、本作もちゃんと抑えている。
見ていて怖くてせつないのが仄暗い水の底からの魅力。

あと本作は生き辛い人間社会をうまく表現していると思う。
特に夫婦間の関係や管理人とマンションのオーナーの仕事をしないたらい回し感などホントによく見るクソみたいな光景がうまい。

欠陥が見つかるとすぐに責任典拠するあの感じｗホントに最悪である。そんな人間の杜撰さが生んだ悲劇。誰もが無関心だから、一人の少女が消えたことにも気づかなかった。誰もが見て見ぬふりである。

ホラー映画って本当に人間関係がメッセージになっている作品が多い。幽霊よりも無関心な人間たちの方が残酷で怖い。

トータル・・・生きづらい社会、人と人とが関わらない無関心な社会に潜む闇の方が残酷。

※岡田さんが語る最も切なくて怖いホラー映画は「仄暗い水の底から」だという。放送の最後に詳しく語ってます。