『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』～おまけで「ガメラ４真実」も紹介～

『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』（ガメラスリー イリスかくせい）は、1999年3月6日に東宝系公開された日本の怪獣映画である。平成ガメラシリーズの第3作で、前2作を受けての完結編として製作された。
監督は前2作と同じ金子修介。









概要と特徴
しばしば怪獣映画を見る人間が持つ「幾ら正義の味方の怪獣でも、悪の怪獣を倒すために街中で戦ったら一般市民が犠牲になるのではないか?」
「なぜ日本だけに怪獣が現れるのか?」という疑問に挑んだ作品である。最終決戦の舞台はJR京都駅であり、怪獣映画において巨大怪獣史上初の屋内戦となった。

脚本の伊藤和典によれば、「これは怪獣映画ではなくて、恋愛映画なんだ」という意気込みで製作されたという。1998年春時点の準備稿ではガメラを巡る綾奈と龍成との仲（ガメラを加えた三角関係）を大きく取り入れていたが、これは決定稿で省かれ、クライマックスを含めて大きく改められた。

スタッフの不仲などを描いたメイキングビデオ『GAMERA1999』が、庵野秀明の総監督により制作され、ビデオソフトとして発表されている。この関係で『ラブ&ポップ』に出演した仲間由紀恵や三輪明日美が、それぞれ別のワンシーンながらカメオ出演している。
また、前2作のみの出演者も集大成的な意味合いから回想シーン等で数カット登場した。

配給収入7億円、動員100万人、結果的に3部作は目標の10億円には届かなかった。
元々完結作の意気込みで製作されていた本作であったが、
この成績を受けて正式にシリーズ終了が決定。
ガメラはこの後7年間製作されず、大映が角川ヘラルド映画となった2006年4月に次作『小さき勇者たち〜ガメラ〜』が公開された。

大映が制作した最後のガメラシリーズである。








あらすじ
ガメラとギャオスの戦いから4年、ガメラとレギオンの戦いから3年後の1999年。ガメラがレギオンを倒すために地球の生態系を循環する生体エネルギー「マナ」を大量に消費したことで地球環境のバランスが大きく崩れ、人間を捕食する殺戮怪獣ギャオスが世界各地で大量発生し急速に被害が拡大していた。1995年以来、相次いで日本を襲う災厄に、日本政府は「巨大生物被害対策委員会」を設置。ギャオス研究の第一人者となった長峰も参加する。

4年前の東京でのガメラとギャオスの戦いの巻き添えで両親を失った比良坂綾奈と弟の悟は、奈良県高市郡南明日香村（架空の地名）に住む親戚の日野原家に引き取られていた。綾奈の心は両親の仇ガメラへの激しい憎悪の念に満ちていた。ある日、綾奈は悟をよそ者扱いをしていじめる同級生の女子3人組を止めるため、守部家の敷地内の沢に在る古くから「柳星張〈りゅうせいちょう〉」が眠ると伝えられている祠の奥にある洞窟へ、度胸試しの如く言われるがままに入り込み、その中で黒い勾玉と奇妙な卵状の物体を見つける。綾奈が唆される現場を目撃した守部美雪は、兄・龍成を呼び出し、幼馴染みでもある綾奈と再会する。
ある週末の夜、東京渋谷上空に2体のギャオスが飛来、それを追ってきたガメラとの壮絶な市街戦が展開される。激闘の末ギャオスは殲滅されるが、戦場となった渋谷は壊滅し1万人を超える犠牲者が出てしまう。





やがて日本政府及び世論はガメラを危険視する方向にシフトしていく。
ガメラが渋谷でギャオスを圧殺した同時刻、その断末魔の叫びに応えるかの様に綾奈が洞窟で見つけた卵状の物体から奇妙な生物が生まれた。綾奈はその生物にかつて飼っていた愛猫の名前である「イリス」という名前を付け、いつか両親の仇ガメラを殺してくれることを願って密かに育て始める。だが、イリスは守部家に代々伝えられる「復活すればこの世は滅びる」と恐れられる災厄だった。綾奈の憎悪を糧に急速に成長したイリスは本性を露にし綾奈を繭に自身ごと包み込む。直後に駆けつけた龍成が救出するものの綾奈は意識不明になり、イリスも姿を消した。

ギャオスらしき生物が南明日香村に出現したとの報告を受けた長峰と大迫は、現地で体液を吸いつくされミイラ化している日野原一家をはじめとした村人や付近のキャンピング客などを目の当たりにする。ギャオスとは明らかに違う捕食方法に困惑する中、長峰は立ち寄った守部家の祠で十握剣を取り出そうとする龍成と出くわす。龍成を追いかけた長峰は彼に追いつき、そこで綾奈とイリスの事を打ち明けられる。洞窟の内部に残された卵の殻と繭らしき物体の組織片を発見した長峰達は、その生物（イリス）はギャオスの変異体でありながら自身の染色体構造をも変えてしまう程の変化を遂げ、既にギャオスとは別の生命体であり、「どこまで変化し続けるのか予測が出来ない」という結論に至る。

その夜、長峰は病院で意識不明の綾奈との接見を試みるが、彼女の特異性に注目する政府の要人・朝倉美都によって綾奈は何処かへ連れ去られた後だった。その後、朝倉のブレーンである倉田真也が長峰と浅黄の前に現れ、朝倉と未だ意識不明の綾奈の処へ案内した。己の歪んだ価値観でしか行動していない朝倉に対して、長峰はギャオス変異体（イリス）の存在と綾奈との神経系統の融合を試みた可能性を示唆。今回の事態の深刻さを説き、綾奈を施設の整った東京の病院へと搬送するべくJR京都駅に向かう。その頃、大迫に諭された龍成も綾奈を助けるため京都へ向かっていた。






成体となり活動を再開したイリスは、動向を監視していた自衛隊の普通科小隊を壊滅させ、綾奈を求めて飛び立つ。紀伊半島上空でF-15とイリス、そして突如出現したガメラが空中戦を繰り広げる。しかし自衛隊がガメラ掃討を優先しパトリオットミサイルを発射。ミサイルが命中したガメラは速力低下し、イリスを取り逃がしてしまう。その頃、本州に上陸した大型の台風8号が京都市に上陸し、綾奈達は京都駅で身動きがとれなくなっていた。イリスは綾奈の存在を感知し、彼女との完全な融合を求めて京都に降り立つ。やがて追ってきたガメラも京都の地に舞い降りる。ガメラの放った火球はイリスの触手に跳ね返され、夜の京都は火の海と化す。浅黄の必死の説得にも耳を貸さず憎悪に狂った綾奈の叫びが木霊する中、嵐と紅蓮の炎に包まれながら遥か古の罪が産み落とした怪物同士の終末の闘いが始まった。






個人的感想
話題性と根強い人気はあったものの、目標の収益に届かなかったため、打ち切りが決定してしまったもったいない作品。
僕は伊藤さんの脚本大好きなので、このイリスも全然面白かったし、もっと高く評価されてもいいんじゃないかと思う。
個人的にこういう怪獣映画を望んでいたと言っても過言ではない！
少女と怪獣の融合・・・どことなくアニメ的な視点で描いた怪獣映画といえなくもないが、こういうのもアリだと自分は思う。








寧ろ怪獣映画といえばゴジラ映画というイメージが強い中で、新しい怪獣映画を模索していた自分にとって、このガメラは斬新だった。







この三作はいい意味でも悪い意味でも、評価が分かれている作品だが、間違いなくこの作品で怪獣映画のイメージを覆し、尚且つ新しい怪獣映画の可能性を見出し、ゴジラとはまた違う一線を隔したシリーズとして差別化ができていると自分は思う。






この作品では、若いまだデビューしてまもない頃の仲間由紀恵が出演している。
役どころとしてはチョイ役のゲストキャラで、男を誘って森の中でアウアウしようとしてイリスに襲われるバカップルのヤリマン女という感じか。
そして、イリスに体液を吸われなんと・・・・ｗ










ミイラ化ｗしてしまいますｗ
これ当時は結構ビックリしたよマジでｗ
庵野秀明監督のガメラ３メイキングビデオ『GAMERA1999』では仲良くミイラ化した自分の人形と２ショットする仲間さんが見れる。

熱いファンも多く、この作品を好きなクリエーターも多い。
怪獣映画としては文句なく最高の出来だと思うので、
これをきっかけに興味をもって見ていただけたなら幸いだ。

～おまけ～（一部ネタバレ含む）
ここからはネタバレになるが、この映画のラストは非常に続きがきになるというか、中途半端なところで終わっている・・・。
これはおそらく続編も視野に入れていた終わり方だったのだろうが、これ以降製作はおこなわれていないので、結局この後どうなったのかはわからない。
そこで一人の男が立ち上がる！
自ら自主制作でこの続編を作り上げた男！









それは落語家であり、映画監督でもあり、脚本家でもある！林屋しん平だった！！
林屋しん平監督作品









「駕瞑羅（ガメラ）4 真実」が製作された。









概要
料金授受を行わないなどの条件の下で大映からも承認されている、平成ガメラ3部作の後日談。CGを中心に製作されている。
平成ガメラシリーズで大迫力を演じた螢雪次朗が同役で出演している。






あらすじ
ガメラがイリスを撃破した直後、大量のハイパーギャオスが日本上空に飛来した。満身創痍でありながらも、なおギャオス群に立ち向かうガメラ、そして自衛 隊。しかし、圧倒的な手勢の前に自衛隊は苦戦を強いられ、プラズマ火球を無効化する新種・アルビノギャオスと対峙したガメラは徐々に追い詰められていく。








自主製作ということでCGが結構荒いが、
ファンの間では結構この幻の四作目も評価が高いらしい。







ちなみに自分はまだ見たことがないです。この作品。

画像やストーリーはこちらのサイトのものを使わせていただきました！
「駕瞑羅４・真実」新カット公開！
http://www63.tok2.com/home2/godzilluck/new%20G4.htm

～さらにおまけ～
実はらき☆すたでこの映画のネタというか話題がでてきます。








（左が実際のJR京都駅、右がらき☆すたのJR京都駅）
らき☆すたの作者もどうやら好きだったようですねｗ
らき☆すたの中で主人公こなたが修学旅行でJR京都駅を訪れた時、「ここにイリスが入ったのか」と呟いている。

＝予告＝