映画 「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ! オラと宇宙のプリンセス」～映画20周年記念作品～

◎内容◎
「オラ、妹なんかいらない! ひまわりなんかいらないゾ! 」

ある日、プリンのことで喧嘩したしんのすけとひまわり。そこへ、突然「ひまわり姫をお預かりします」という謎の男2人が現れた。
ほいほい喜んで渡された紙にサインをしてしまう、しんのすけ。次の瞬間――上空に現れたUFOに、野原一家は吸い込まれてしまった!
到着したのは「ヒマワリ星」という見知らぬ星。そこで、星の王ゴロネスキーが叫ぶ。
「ひまわり様が姫にならなければ、地球もヒマワリ星も消滅~~~~~! ! 」
急激な展開に呆然とするひろしとみさえだが、しんのすけがサインしたのは全て了解するという「宇宙契約書」だったのだ!
しかし、ひまわりが姫になると、家族は離ればなれに…。
「自分で決めるがよい。妹を選ぶのか…、地球の未来を選ぶのか…?」
果たしてしんのすけの選択は! ?

個人的感想
実は今回はアマゾンにレビューをあげました。
内容はそれの典拠になります。
ん～今回の映画はね・・・・。
掲げたテーマがちょっと大きすぎて、
答えが不明瞭なまま消化不良。


20周年記念ということで、作る側のプレッシャーは大きいと思いました。
今までのクレヨンしんちゃんの映画は比較的ハズレが少なく、どれも面白いと思います。
が・・・本作はちょっと残念だった。

良いシーンや大人帝国のひろしの回想をオマージュしたような、ひまわりの成長を想像するシーンなど良い演出、泣ける演出はあるものの・・・根底の「ひまわりを取るか？地球の未来をとるか？」という究極の選択に対しての「野原しんのすけ」としての答えが出ていない。（というかそもそも出せない。）

物語ラストで、少し期待してしまった。それは・・・この途方もない絶望的なまでの問いに対して「野原しんのすけ」ならきっと世界を覆すような答えを出せるのではないか？いや・・・出してくれるんじゃないか？と・・・・。

それは今まで数々の映画を乗り越え、今までも数々の野原しんのすけとして、名言になるような答えを出し続けて来たから、余計に答えを求めてしまったわけです。

だが、いきなり天秤がごちゃごちゃになって、惑星直列して世界は平和になりました。お兄ちゃんの勇気が奇跡を起こしました。・・・・では、あまりにもお粗末だし・・・ご都合的で、投げっぱなしです。

別の作品を持ち上げてしまうのは駄目だとは思いますが、仮面ライダーディケイド（あれも内容は決して良いとは思いませんが）の作中では「世界を敵に回してでも、守りたいものがある。」
という台詞があります。
それが良いとか、悪いとかではないんですが明確な答えを出したという点で評価出来るんです。


一番、駄目なのは答えを出さずに、うやむやに流してしまうことではないでしょうか？
助けに行くと決めたなら、しんちゃんにも明確に声を上げて宣言してほしかった。

スタッフは20周年だからこそ、でかい舞台、宇宙で・・・でかいテーマでやろうというのであったのだろうと想像します。今までの映画に負けないくらいの感動を！という思いもおそらくはあったのでは？
と思います。

でも、しんちゃん映画のファンの一人の意見を言わせてもらえれば、そこまで高いハードルや内容を望んではいません。大人帝国や、あっぱれ戦国ほどの高い水準の物はさすがに出来なかったにしても、もっとテーマを絞って人間くさい、泥臭い内容でも十分満足できるものが作れたのではないかな～？と思います。

そういった意味で、本作は風呂敷を広げすぎている。

これからも、もちろんしんちゃん映画には期待もしているし、楽しみにしています。
ただ・・・あまりプレッシャーによってハードルをあげすぎないように無理せず続けてほしい。
最近のクレヨンしんちゃん映画がだんだん世界や次元を飛び越えすぎているように見えますから。


あ・・・良い点としては、しんちゃんが時空を飛び越えてる時、歴代の映画ヒロインが全員出てきたのはおっ！！と思った。